共栄社化学株式会社、9社連携でプラスチック(容器包装)資源循環の 動静脈連携モデル実証を開始 (環境省請負事業)
2026/08/05
剥離・脱墨技術の社会実装に向け、協創型プラットフォームの成立可能性を検証
共栄社化学株式会社(代表取締役社長 片岡清夫、以下 共栄社化学)は、環境省の「令和7年度プラスチック資源循環戦略に関する調査・検討業務」の一環として実施される動静脈連携※1モデル実証に参画します。本事業では、軟包装材の資源循環に関わる9社が参画し、複数企業が開発を進める剥離・脱墨技術の社会実装を見据え、設備や技術を共同で活用する「協創型プラットフォーム(PF)モデル」の成立可能性および成立条件を検証します。
※経済活動を血液の循環に例えた表現で、天然資源を加工して製品の製造・流通を担う産業を「動脈産業」、廃棄物の回収・選別・再利用・再生利用および適正処理による社会への再循環を担う産業を「静脈産業」といい、これらが連携して資源を循環させる取り組みを「動静脈連携」と呼ぶ。
1.背景
プラスチックの資源循環は、資源枯渇や廃棄物削減、海洋プラスチックごみ対策の観点から世界的にその重要性が高まっています。日本でも、プラスチック資源循環戦略やプラスチック資源循環法に基づき回収・再資源化が進む一方、回収量の拡大、高度リサイクル技術の確立、再生プラスチック(以下、再生材)の品質向上・利用拡大が課題となっています。
再生材の利用拡大には、品質、コスト競争力、安定供給性を同時に確保する仕組みづくりが不可欠です。こうした課題への対応に向け、近年、剥離・脱墨等の高度マテリアルリサイクル技術の開発が進められています。一方で、これらの技術の社会実装に向けては、技術そのものに加え、事業者間の連携や運用体制の構築も重要な要素です。
このような背景を踏まえ、環境省「令和7年度プラスチック資源循環戦略に関する調査・検討業務」※2の一環として、本実証を実施します。本実証は、株式会社三菱総合研究所を全体統括者とし、プラスチック容器包装(軟包装材)の資源循環に関わる主要事業者9社との連携のもと、複数の動脈・静脈事業者が技術や設備を共同活用する「協創型PFモデル」の成立可能性を検証します。
本実証の体制
三菱総合研究所作成
本実証には、アールエム東セロ株式会社、共栄社化学株式会社、ZACROS株式会社、大日本印刷株式会社、東洋製罐株式会社、TOPPAN株式会社、朋和産業株式会社、株式会社細川洋行、三菱ケミカル株式会社(記載は五十音順)が参画します。
2.本実証の概要
本実証では、剥離・脱墨技術の社会実装を見据え、複数の動脈・静脈事業者が設備や技術を共同活用する「協創型PFモデル」の有効性および成立可能性を検証します。あわせて、「協創型PFモデル」の下で活用される剥離・脱墨技術について、共通条件下での実証を行い、社会実装に向けた課題を整理します。
本実証の特徴は、個別技術の性能評価や優劣比較を目的とするものではなく、複数企業が開発する剥離・脱墨技術を対象に、設備・技術の共同利用を前提とした「協創型PFモデル」の成立可能性や課題を検証する点にあります。具体的には、以下の取り組みを実施します。
(1)「協創型PFモデル」の有効性評価
個社ごとに設備・技術を活用する場合と、「協創型PFモデル」の下で設備・技術を共同利用する場合を比較し、再生材の品質、コスト構造、供給安定性への効果を検証します。また、排出から再生利用に至るサプライチェーン全体を対象として、関係事業者の役割分担や連携の在り方、設備・技術の共同活用に向けた運用上の課題を整理します。
(2)共通サンプルを用いた剥離脱墨技術の実証
複数企業が開発を進める剥離・脱墨技術について、複数の共通サンプルを用いて各技術による剥離・脱墨処理及び評価を実施し、「協創型PFモデル」化に向けた課題や検討事項を把握します。なお、共通サンプルは、市場ボリュームや実証意義を踏まえ、参画事業者の議論の下、プラスチック軟包装材を対象として設計します。
共通サンプルを用いた剥離脱墨技術の実証 イメージ
三菱総合研究所作成
3.共栄社化学の役割
共栄社化学は、本実証に参画するプラスチック容器包装・フィルム関連事業者へ、実証に必要な軟包装材を剥離・脱墨することができる薬剤を提供し、実証結果の評価・検証に協力します。また、9社による連携の下、再生材の品質向上、安定供給及びコスト低減に資する「協創型PFモデル」の検討に参画し、その成立可能性や運営上の課題の整理に取り組みます。
さらに、将来の社会実装時には薬剤製造だけでなく、使用済み薬剤を再生する技術も構築し、本技術の幅広い普及を担います。
4.今後の予定
共栄社化学は、再生材の利用拡大を阻む構造的課題への対応に加え、回収・再資源化から利用拡大までを見据えた資源循環システムの構築に取り組んでいます。中でも、動静脈事業者が連携して設備や技術を共同活用する「協創型PFモデル」は、再生プラスチックの品質向上、コスト低減、安定供給を実現する、有力な方策の一つと考えています。
今後は、本実証を通じて得られる知見から、社会実装・事業化および横展開に向けて、軟包装は無論、軟包装以外の種々の材料に対応できる新たな剥離・脱墨のための薬剤開発を行っていきます。また、実証成果を踏まえ、再生プラスチック利用拡大に向けた業界横断での取り組みの具体化を通じて社会実装に貢献します。
共栄社化学株式会社
本社所在地 : 〒541-0054 大阪府大阪市中央区南本町2丁目6番12号
代表者 : 代表取締役社長 片岡清夫
資本金 : 2億1千万円
設立 : 1904年(明治37年)5月
主な事業内容 : (1) 機能性化学品事業/特殊(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ化合物、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、機能性コーティング剤 等 (2) 金属化学品事業/乾式・湿式伸線用潤滑剤等の塑性加工薬剤、防錆剤・切削剤・研磨媒材等の金属表面処理剤、スライシング・ラッピング剤等の電子材料加工薬剤、アクリルバインダー等の焼結粉末成形用薬剤 等 (3) 塗料添加剤事業/たれ止め剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、機能性付与剤、プラスチック添加剤 等 の設計開発・製造・販売
≪本件に関するお問い合わせ先≫
共栄社化学株式会社 奈良研究所
〒630-8453 奈良県奈良市西九条町5丁目2番地の5
【内容に関するお問い合わせ】
新規事業・基幹技術開発推進室 : 衣川 雅之
メール:m_kinugawa@kyoeisha.co.jp
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